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相続した家を売る方法はどれが良い?手順や注意点をわかりやすく解説

不動産相続

山田 拓馬

筆者 山田 拓馬

不動産キャリア24年

不動産売買についての経験が豊富です。
様々なケースについて、お客様に寄り添った提案が出来るよう心掛けております。

家族から受け継いだ大切な家を売却するべきか、その手順はどうすればよいのか、不安や疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。相続した家を手放す際は、専門的な手続きや法律が絡むため、事前に正しい知識を持つことが重要です。この記事では、相続した家を売却する際の基本の流れや必要な準備、売却方法の選び方、そして売却後の税金や節税対策まで、分かりやすく丁寧に解説します。安心して進めるためのポイントを知りたい方は、ぜひご一読ください。

相続した家を売るための基本的な手続きの流れ(名義変更や相続税など)

相続した家を売却するためには、まず「遺言書の有無の確認」と「相続人の確定」が必要です。遺言書がなければ、相続人全員による遺産分割協議を行い、「遺産分割協議書」を作成します。また、相続放棄や限定承認を検討する場合は、相続開始を知った日から3か月以内に手続きを行わなければなりません。

次に、「相続登記(名義変更)」を行います。不動産を売却するには名義変更が必須で、相続人が誰であるか明確にした上で、自分の名義に変更する必要があります。2024年4月1日からは相続登記が義務化され、手続きをしないと過料の対象になる可能性があります。

その後、「相続税の申告と納税」を行います。相続税の申告と納税は、相続開始日の翌日から10か月以内に済ませる必要があります。相続した不動産が多く現金が少ない場合、売却資金で相続税を納付することもあるため、売却のタイムスケジュールに注意が必要です。

以下に、相続手続きの主な項目と期限を整理しました。

手続き内容期限
遺言書の有無+相続人確定相続人を確定し、遺言がなければ協議書作成特になし(ただし相続放棄の期限あり)
相続放棄・限定承認相続内容により放棄や限定承認を判断相続開始から3か月以内
相続登記(名義変更)法務局へ必要書類提出して名義変更3年以内(義務化の対象)
相続税の申告・納税申告書を提出し、税金を納める相続開始翌日から10か月以内

これらの手続きを漏れなく進めることにより、相続した家の売却を法的にも円滑に進めることができます。

売却をスムーズに進めるための準備と戦略

相続された不動産をスムーズに売却するためには、まず共有名義の場合、共有者全員の合意が不可欠です。共有持分のみを自由に売却することもできますが、買い手が限られ、手間がかかる点にご注意ください。共有者間で対立がある場合、早めに話し合いの場を設け、専門家の助けを得ることが円滑な進行につながります。たとえば、共有者間で話し合いが難航するようであれば、弁護士や司法書士に相談することで手続きやトラブル解消の支援を受けることができます。

次に、早めに売却を進める利点ですが、築年数の経年劣化や劣化進行による資産価値の低下を防ぐことが最大のポイントです。共有名義のまま長期間放置してしまうと、建物や土地の老朽化が進むとともに市場での需要が下がる可能性があります。一方、速やかに売却すれば適正価格での取引が期待でき、共有者間での公平な分配もしやすくなります。

さらに、「更地にするか、そのまま売るか」という判断も重要です。更地にしてから売却すると土地としての利用がしやすくなるため、買い手の選択肢が広がる一方、解体費用などのコストがかかります。そのため、建物の状態や土地の用途、売却時の費用負担などを総合的に判断することが大切です。例えば、建物が老朽化している場合は更地にしたほうが高く売れる可能性がありますが、費用対効果や手間を考慮して判断することが肝要です。

準備・戦略 内容 狙い
同意の取得 共有者全員からの合意を得る 売却の法的安定性を確保
早めの売却 劣化や価格下落を抑制 適正価格での売却を実現
更地にする判断 建物の状態・費用を検討し選択 コストと利便性の最適化

売却の進め方と選べる方法の比較

相続した家を売る際には、どのような方法で進めるかを比較検討することが重要です。以下の三つの視点で整理してみました。

項目 仲介売却 買取
売却価格 市場価格に近く、高く売れる可能性がある 市場価格の70~80%程度となり、安くなる傾向にある
売却スピード 一般に数ヶ月〜半年以上かかることもある 最短1週間〜1か月ほどで売却可能
その他の特徴 広告や内覧など手間が多く、報告義務がある媒介契約が必要 広告・内覧不要、瑕疵担保責任が免除される場合が多い

まず、査定を依頼し媒介契約の種類を決めるところから始まります。媒介契約は「複数社に依頼でき自己発見も可能な一般媒介」「1社依頼で自己発見可能な専任媒介」「完全に1社依頼で自己発見不可な専属専任媒介」の三種類があります。それぞれに義務や柔軟性が異なるため、売却期間や自ら買い手を探す余地などを踏まえた検討が必要です。

仲介売却は、自分の希望に近い高値で売却できる可能性が高い反面、売れるまでに時間がかかり、内覧や掃除などの手間も発生します。 一方、買取なら売却スピードが格段に速く、早期に現金化が可能で、広告・内覧の手間も省け、瑕疵担保責任が免除されることも多いため安心感があります。しかしながら、売却価格は仲介に比べて低くなる傾向が強く、物件によっては70~80%程度、酷い場合は50%程度になることもあります。

さらに、自ら買い手を探す「個人間売買」なども選択肢に入ります。ただし、売却契約や登記、税金、トラブル対応などはすべて自己責任となるため、慎重な準備と専門家への相談が不可欠です。

売却後にかかる税金と活用できる特例・節税対策

相続した家を売却する際にかかる主な税金には、印紙税、譲渡所得税・住民税、そして登録免許税(相続登記の際)があります。印紙税は売買契約書の作成時に収入印紙を貼ることで納税する税金で、契約金額によって税額が変わり、軽減措置が一定期間適用されます(例:5,000万円超1億円以下なら3万円)。譲渡所得税・住民税は、売却による利益(譲渡所得)に対して課され、所有期間が5年以下の短期譲渡には高い税率(約39.63%)が適用され、5年超の長期譲渡には低い税率(約20.315%)が適用されます。登録免許税は、相続登記を行う際に固定資産税評価額の0.4%が課されます。

費用項目内容概要
印紙税売買契約書作成時契約金額に応じて税額が変わる(軽減措置あり)
譲渡所得税・住民税売却益に課税所有期間次第で税率が異なる(短期・長期)
登録免許税相続登記固定資産税評価額の約0.4%

特例や控除として注目すべきは、居住用財産の3,000万円特別控除や、相続した空き家の3,000万円特別控除、そして取得費加算の特例です。居住用財産の控除は、被相続人の居住用財産を売却した場合に適用されるもので、要件として「売却時点まで居住していた」「売却は住まなくなってから3年後の年の12月31日まで」などが必要です。また、相続した空き家を売却する場合においても、一定要件を満たせば3,000万円の特別控除が可能ですが、昭和56年5月31日以前に建築されていたことや、相続開始から3年以内に売却することなどが条件になります。さらに、相続税の申告期限翌日から3年を経過する日(通常、3年10カ月以内)までの売却なら、相続税額の一部を取得費に加算できる特例もあります。ただし、この特例と3,000万円控除の併用はできません。

譲渡所得(売却益)の計算には、売却収入から取得費、譲渡費用(仲介手数料・測量費等)、特別控除を差し引いた額を用います。取得費が不明な場合は、収入金額の5%を取得費とみなすことも可能です。譲渡費用は売却のために直接かかった費用に限られ、修理費や維持費は含まれませんので注意が必要です。確定申告の際には、これらの金額を正確に把握し、必要な資料を揃えることが節税への第一歩となります。

まとめ

相続した家を売却する際は、遺言書や相続人の確認から名義変更、相続税の申告など複数の手続きが求められます。売却準備や売却方法の選択、税金対策まで計画的に進めることが大切です。特に法改正による名義変更の義務化や各種特例の適用条件をしっかり理解することで、無駄なトラブルや損失を防げます。ひとつずつ丁寧に準備を進め、不安な点は専門家に相談すると安心です。

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執筆者紹介

山田 拓馬 (ヤマダ タクマ)

不動産事業部 部長 キャリア24年

保有資格

  • 宅地建物取引士
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 不動産終活士
  • ガーデンデザイナー 

不動産業界で20年以上のキャリアを積み、これまでに1,000件以上の売買、賃貸契約に携わる。分かりやすい説明、少しでもプラスになる提案、を常に心掛けている。また、近年問題視されている管理が劣悪な空き地・空き家、所有者不明不動産等の解決に少しでも貢献するべく、日々奮闘中。趣味はギター演奏、ガーデニング、観葉植物栽培、料理。

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