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不動産相続の税金や計算方法はどう決める?必要な手続きを整理してご紹介

不動産相続

山田 拓馬

筆者 山田 拓馬

不動産キャリア24年

不動産売買についての経験が豊富です。
様々なケースについて、お客様に寄り添った提案が出来るよう心掛けております。

不動産の相続に直面すると、「一体どれくらい税金がかかるのか」「どのように計算すれば良いのか」など、さまざまな疑問や不安が生まれます。手続きが複雑に感じられ、専門的な知識が必要と思われがちですが、要点を押さえれば無理なく理解できます。この記事では、不動産相続に関する税金の計算方法を中心に、評価額の算出から申告方法まで分かりやすく解説いたします。不動産の相続で迷わないための知識を、順を追って整理していきます。

不動産相続における評価額の算出方法

不動産相続においては、まず土地と建物それぞれの評価額をきちんと算出することが重要です。誰にとってもわかりやすく整理してご紹介いたします。

土地の評価額は、原則として「路線価方式」または「倍率方式」によって算出します。路線価方式は路線価(道路に面する標準的な宅地の1平方メートルあたりの価格)に土地の面積や奥行き補正率などを掛けて計算します。一方、倍率方式は、固定資産税評価額に評価倍率を掛けて算出します。地域によって方式が異なりますので、評価方式と数値は相続時の評価基準を確認のうえ計算します。

建物の評価額は、固定資産税評価額を基本とし、評価倍率として原則1.0倍ですので、固定資産税評価額と同じ額となります。

場合によっては、貸家建付地など特定用途に供される不動産の土地評価に、借地権割合・借家権割合・賃貸割合を用いて調整する必要もあります。具体的には、自用地評価額から「自用地評価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合」を差し引いた額が評価額となります。賃貸割合は、相続時点で実際に賃貸されている床面積の割合によって決まります。

以下に、簡単な比較表を用意しました。

対象 評価方法 計算の要点
土地(一般的な宅地) 路線価方式/倍率方式 路線価×面積×補正率 または 固定資産税評価額×倍率
建物 固定資産税評価額 ×1.0 固定資産税評価額と同額になります
貸家建付地(賃貸用土地) 調整式 自用地評価額 −(自用地評価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

以上のように、土地と建物、さらに貸家建付地などを区別して評価することで、正確な相続税評価額を算定できます。誰にでも理解していただけるように整理してご説明いたしました。

相続税の申告対象額の求め方

まず、全体の遺産から基礎控除額を差し引いて課税対象となる「課税遺産総額」を求めます。基礎控除額は「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」で算出され、故人に配偶者と子供2人がいる場合は、3000万円+(600万円×3人)=4800万円となります。遺産総額がこの基礎控除額を下回る場合、相続税は基本的にかからず、申告は不要です。

次に、ここから適用可能な各種控除を差し引きます。たとえば、配偶者の税額軽減制度では、配偶者が取得した遺産額が「1億6000万円」または「法定相続分」のいずれか大きい額までは相続税がかからない特例があります。未成年者控除や障害者控除も、該当する相続人がいればそれぞれ年齢や対象に応じて税額から控除されます。

控除後の課税対象額の求め方を、以下のような表にまとめます。

計算項目 計算式 説明
課税価格の合計額 プラスの財産 − 債務等 相続した財産全体の額から借金や葬儀費用等を差し引く
課税遺産総額 課税価格の合計額 − 基礎控除額 この金額が相続税の対象となる
控除後の課税対象額 課税遺産総額 − 各種控除額 配偶者控除・未成年控除・障害者控除などを適用

このように順序立てて遺産総額から基礎控除、さらに配偶者控除や未成年控除など必要な控除を適用していくことで、最終的にどれだけの金額に相続税が課されるのかが明らかになります。特に配偶者控除は大きな節税効果があるため、適用条件に当てはまる場合は忘れず反映させましょう。

各相続人ごとの相続税額の按分計算

相続税を計算するにあたって、まず課税遺産総額を「法定相続分」で仮に按分し、その取得金額から速算表によって各相続人の仮の税額を求め、最後に実際の取得割合に応じて納税額を決定します。

最初に、課税遺産総額を法定相続分で分け、「法定相続分に応ずる取得金額」を算出します。例えば配偶者と子ども2人が相続人の場合、配偶者1/2、子それぞれ1/4ずつとなります。この方法によって税額の基礎が成立します。

次に、その取得金額をもとに速算表を用いて仮の税額を算出します。速算表では取得金額の区分ごとに定められた税率と控除額を用いて計算します。たとえば、1,000万円以下は10%、1,000万円超3,000万円以下は15%かつ控除50万円といった具合です。

最後に、仮の税額を合算した相続税総額を、実際の取得割合(遺産分割協議の結果など)に応じて各相続人に按分し、最終的な納税額を確定します。たとえば配偶者が1/2、子がそれぞれ1/4の取得割合であれば、総税額の1/2、1/4、1/4に応じて按分されます。

以下は、計算の流れをまとめた表です。

ステップ 内容 具体例(配偶者+子2人)
① 法定相続分で按分 課税遺産総額を法定相続分で仮に分配 配偶者:1/2、子各:1/4
② 仮の税額計算 速算表を適用し、税率×取得金額-控除額 取得額×税率-控除
③ 実際の取得割合で按分 総税額を実際の財産取得割合に応じて分配 配偶者:総額×1/2、子各:総額×1/4

このように、法定相続分を基準にした仮計算から、実際の分配に合わせた税額の調整へ移行するステップが、相続税額の按分計算において非常に重要です。

:相続登記など手続きに伴う税金や費用

不動産を相続した際に必要となる登記手続きや関連費用について、以下にわかりやすく説明いたします。

まず、相続登記(所有権移転登記)では「登録免許税」が必要です。これは、不動産の固定資産税評価額に0.4パーセント(1000分の4)を乗じ、さらに100円未満を切り捨てた額が納付額となります(例:評価額2000万円なら8万円)。

なお、一定の条件に該当する場合には、この登録免許税が免除されます。具体的には、評価額が100万円以下の土地や、相続登記前に相続人が亡くなり二次相続となった場合などです。免除の適用には、登記申請書に「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」と記載することが必要となります。また、この免税措置は2027年3月31日まで延長されています。

次に、司法書士に依頼した場合の報酬についてです。報酬相場は地域や依頼内容によりますが、おおむね5万円から15万円程度が一般的です。複雑な手続きや相続人の数が多い場合には、高額になることもあります。

さらに、必要となる実費も発生します。書類取得費(戸籍謄本、住民票、評価証明書など)は、数千円から1万数千円、平均では1万~2万円程度が目安です。

以下の表に、主な費用項目と金額の目安を整理しました。

項目内容金額の目安
登録免許税固定資産税評価額×0.4%(100円未満切り捨て)評価額2000万円の場合:約8万円
司法書士報酬登記申請や書類収集、分割協議書作成など5万~15万円前後
必要書類取得実費戸籍謄本、住民票、評価証明書などの手数料1万~2万円程度

最後に、不動産取得税についてですが、相続による取得の場合は原則として課税されません。贈与や特定遺贈、死因贈与などの場合には課税となるため、取得経緯に応じてご注意ください。

まとめ

不動産の相続に関する税金やその計算方法は複雑に感じるかもしれませんが、評価額の算出や控除の種類など基本的なポイントを押さえることで、負担や不安を軽減することができます。手続きでは土地や建物それぞれに異なる評価方法が用いられ、申告にあたっては各種控除や按分計算も重要になります。また、実際にかかる税金や費用にも注意が必要です。正しい知識を身につければ、安心して相続の準備を進めることができるでしょう。疑問点があれば、早めの相談がおすすめです。

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執筆者紹介

山田 拓馬 (ヤマダ タクマ)

不動産事業部 部長 キャリア24年

保有資格

  • 宅地建物取引士
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 不動産終活士
  • ガーデンデザイナー 

不動産業界で20年以上のキャリアを積み、これまでに1,000件以上の売買、賃貸契約に携わる。分かりやすい説明、少しでもプラスになる提案、を常に心掛けている。また、近年問題視されている管理が劣悪な空き地・空き家、所有者不明不動産等の解決に少しでも貢献するべく、日々奮闘中。趣味はギター演奏、ガーデニング、観葉植物栽培、料理。

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