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不動産相続で家族間に起こるトラブルは?実際の事例と対策も紹介

不動産相続

山田 拓馬

筆者 山田 拓馬

不動産キャリア24年

不動産売買についての経験が豊富です。
様々なケースについて、お客様に寄り添った提案が出来るよう心掛けております。

家族間で不動産を相続する場合、「普段仲が良いはずなのに突然トラブルになってしまった」という話をよく耳にします。不動産は分けづらく、評価額の考え方も人それぞれ。特に兄弟や家族間の思い違いが小さな不満を大きな対立へと変えてしまうことが多いのです。この記事では、相続トラブルのよくある原因や事例をわかりやすく解説し、いまからできる具体的な対策や心構えまで丁寧にご紹介します。安心して相続を迎えるために、ぜひ最初から最後までご覧ください。

なぜ家族間の不動産相続でトラブルが起きやすいのか

不動産は現金などの資産と違って分割が難しく、「分けにくさ」がそもそも争いを生む大きな要因です。日本では、不動産資産が相続財産の大部分を占めるにもかかわらず、分割の際には位置・面積・利用状況といった評価に専門的判断が必要で、意見が対立しやすいです。

さらに遺言書がない状況では、法律上の「法定相続分」に基づいて分けることになりますが、それだけでは“When it comes to practical realities(現実)”の納得を得にくく、家族間で不満を残しやすくなります。

そして実際には、遺産総額が数千万円以下でもトラブルが多く発生しているのが現状です。最高裁の統計でも、遺産総額5,000万円以下の案件が全体の半数弱を占め、遺産総額1,000万円以下でも約3割というデータが出ています。

項目内容
分割の難易度不動産は現金のようにきれいに分けられず評価が困難
遺言書の有無遺言がないと法定相続分に頼るしかなく、不満が残りやすい
遺産規模数千万円以下でもトラブルの発生頻度は高い

発生しやすいトラブルのパターン(家族間の典型的な課題)

家族間の不動産相続では、以下のようなパターンが典型的なトラブルとして発生しやすくなります。

トラブルの種類内容と背景問題点
介護・同居による「寄与分」や優先権 長期間同居したり介護した相続人には、その貢献に応じた「寄与分」や、居住の優先権を主張するケースが多くあります。 誰がどの程度貢献したかを客観的に評価するのが難しく、評価基準の違いから対立が生じやすいです。
評価額を巡る対立 「土地や建物の評価額」に関して、実際の市場価値や鑑定評価ではなく、個々の主観や将来予測に基づく見解の相違が原因となることがあります。 評価方法や借地権・地代収入の考え方などの違いから、公平性への不信が強まりやすいです。
共有名義・空き家の放置 相続した不動産を「共有名義」のままにしておくと、売却や賃貸、解体などの処理が進まず、実家が空き家化してしまうケースが少なくありません。 共有者全員の同意が必要なため、話し合いがまとまらず、固定資産税や維持費の負担や建物老朽化などが放置される恐れがあります。

以下、それぞれのパターンについて詳しく解説いたします。

(1)介護や同居の有無によって「寄与分」や優先権が争点になる場合について
高齢の親を長期間介護したり、自宅に同居して世話をしてきた相続人は、その貢献に見合う「寄与分」や、引き続き住む権利を主張するケースがあります。ただ、何をどう評価するかについて家族間の認識にずれがあり、客観的判断が難しいため、相続人間で争いが起きやすい状況です。

(2)評価額を巡って兄弟間で意見が対立することが多い点
不動産の価値は、路線価・固定資産税評価額・実勢価格・市場動向など複数の要素で決まります。相続人がそれぞれ異なる評価方法を用いると、「安く評価されて損をした」「高く見積もられて納得できない」といった不満につながり、争いの火種になります。

(3)共有名義や空き家の放置など、後に問題となる状態がトラブルの原因になる点
不動産を共有名義で相続した場合、売却や賃貸、修繕、解体といった重要な意思決定は共有者全員の合意が必要です。そのため、連絡が取れない人がいる、そもそも議論が平行線になる、などで実家等が空き家化し、固定資産税負担の不公平、老朽化や倒壊・近隣トラブルのリスクが高まります。

トラブルを防ぐために今すぐできる準備と対策

家族間の不動産相続においてトラブルを未然に防ぐには、以下のような対策を早めに講じることが重要です。

対策内容効果
遺言書の作成 生前に遺言書を作成し、相続に関する意思を明確にする 争いの回避、相続手続きの円滑化
代償分割/換価分割の選択 代償分割:特定相続人が取得し代償金を支払う。換価分割:不動産を売却して現金を分配 公平な分配、感情的対立の軽減
相続登記の早期対応 相続発生後すぐに名義変更や登記を済ませておく 管理責任の明確化、権利関係の混乱を防止

まず、生前に遺言書を作成することは、自身の意思を法的に残す有効な手段です。公正証書遺言として残せば、家庭裁判所の検認が不要となり、手続きがスムーズに進む場合が多いです。

次に、遺産分割方法として「代償分割」と「換価分割」は代表的な選択肢です。代償分割では、特定の相続人が不動産を取得し、他の相続人に代償金を支払います。そのため親が住んでいた住宅などを手放さずに済みやすく、公平性の設定もしやすい点がメリットです。一方で、資力がある相続人でないと実現が難しい点や、代償金額の評価を巡る争いになりやすい点には注意が必要です 。換価分割は不動産を売却し現金にしてから分割する方法で、評価を巡る争いを避けられ、公平性を保ちやすい一方、売却時の価格下落や譲渡所得税などのコスト負担がある点に留意が必要です 。

さらに、相続登記や名義変更などを早めに対応すると、不動産の管理責任や所有権が明確になり、後々のトラブルや放置状態を防ぎやすくなります。不動産は共有状態が長引くほど、将来的な利用や処分について相続人間で意見が合わずに紛争に発展しやすいため、速やかな手続きが非常に効果的です。

感情的な対立を避けるための心構えとコミュニケーション術

家族間の不動産相続では、単なる資産の分配を超えて、思い出や感情が交錯する非常にセンシティブなテーマです。まず、故人と共有していた思い出や関係性に配慮した姿勢を持つことが、互いの尊重につながります。相続の話し合いの前に「感情が絡む資産」であることを家族で認識し、焦らず丁寧に進めることが大切です。例えば「思い出があるから売りたくない」という意向がある相手の立場にも寄り添うことで、納得感の高い話し合いにつながります。これは、感情のもつれが争族につながるという指摘にもあるように、相続では冷静な協議が重要であることを裏付けています 。

対策項目 内容
話し合いのルール設定 議題・時間・進行役などを決めて、感情的にならず進められる場を作る
公平性の確保 全員が納得できるプロセスを事前に共有し、不信感を防ぐ
専門家の仲介 第三者が調整役に入ることで感情的な衝突を避けられ、解決の信頼性も高まる

次に、公平感を保ちつつ話し合いを進めるため、前もってルールを決めておくことが有効です。たとえば、「1回の面談は1時間以内」「感情的になりそうな意見は紙に書いて順番に話す」など、冷静な対話の土台をつくる工夫が考えられます。また、遠方に住んでいる相続人なども参加しやすいように、オンラインによる話し合いを取り入れるのも現代的な解決策です。こうした話し合いの準備は、公平な場づくりに直結し、信頼関係の維持につながります。

最後に、争いを避けるためには、専門家への相談や仲介が非常に有効です。司法書士や行政書士、弁護士などが中立的な立場で話し合いに参加すると、法的な視点からも公平性を担保しやすくなり、感情的な対立を避けつつ、具体的な手続き(相続登記、寄与分・遺留分の調整など)にも適切に対応できます 。また、専門家の存在があれば、感情論ではなく「事実に基づく判断」が促され、家族同士の関係を維持したまま円満解決を図れる可能性が高まります。

まとめ

家族間の不動産相続は、感情や価値観が複雑に絡み合うため、予想以上にトラブルへ発展しやすいものです。不動産は分割しづらく、評価額を巡る意見の相違や介護・同居に関する認識のズレも争点となりがちです。こうした問題を避けるには、早めに遺言書を残し、相続手続きを進めることが大切です。事前の話し合いと専門家の助言を活用し、家族の絆を保つための準備を積極的に進めましょう。

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執筆者紹介

山田 拓馬 (ヤマダ タクマ)

不動産事業部 部長 キャリア24年

保有資格

  • 宅地建物取引士
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 不動産終活士
  • ガーデンデザイナー 

不動産業界で20年以上のキャリアを積み、これまでに1,000件以上の売買、賃貸契約に携わる。分かりやすい説明、少しでもプラスになる提案、を常に心掛けている。また、近年問題視されている管理が劣悪な空き地・空き家、所有者不明不動産等の解決に少しでも貢献するべく、日々奮闘中。趣味はギター演奏、ガーデニング、観葉植物栽培、料理。

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