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相続不動産の賃貸活用で収入を得るには?空室や税負担の対策も紹介

不動産活用

山田 拓馬

筆者 山田 拓馬

不動産キャリア24年

不動産売買についての経験が豊富です。
様々なケースについて、お客様に寄り添った提案が出来るよう心掛けております。

相続によって取得した不動産、その管理や活用方法にお悩みではありませんか。使う予定のない空き地や空き家も、賃貸として活用することで新たな収入源や税負担の軽減につなげることが可能です。本記事では、賃貸活用の収益面や節税効果、手軽な活用方法、始める際の注意点、そして無理なく安心して進めるための準備手順まで、順を追って分かりやすく解説していきます。今後の賢い資産管理の参考に、ぜひご一読ください。

賃貸活用によって期待できる収益と税負担の軽減

相続した不動産を賃貸住宅として運用することには、家賃収入という収益獲得のメリットがあります。空き家や遊休地を賃貸活用することで、安定した収入源を得られる可能性があります。また、賃貸住宅化によって、不動産の固定資産税や都市計画税に関して一定の軽減措置が適用される場合があります。

さらに、「貸家建付地」として土地と建物を他人に貸す形で活用すると、相続税評価額が下がる仕組みがあります。評価額は「自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)」で算定され、賃貸割合が高いほど、評価額が低く抑えられます。例えば、借地権割合60%、賃貸割合100%の場合で評価額の圧縮効果が期待できます。賃貸割合を高く維持するためには、定期的なリフォームや空室対策が重要です。

また、「小規模宅地等の特例」として、貸付事業用宅地の場合、200㎡までの部分について評価額が50%に軽減される制度もあります。これにより、相続税の負担も大幅に軽減できる可能性があります。収入面と税負担の軽減の両面から、賃貸活用は相続した不動産をお持ちの方にとって魅力のある選択肢です。

以下は、賃貸活用の収益面と税負担軽減の概要をまとめた表です:

項目内容効果のポイント
家賃収入賃貸住宅として運用安定した収益が見込める
貸家建付地評価自用地評価×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)評価額の圧縮による相続税軽減
小規模宅地等の特例貸付事業用宅地200㎡まで50%評価額軽減相続税の大幅な節税効果

空き地や空き家を手軽に活用する手段の選び方

相続した土地を賃貸活用する際、初期投資や運営の手軽さから人気なのが駐車場運営です。月極駐車場であればアスファルト舗装や白線、車止めだけで導入でき、多額の費用をかけずに始められます。初期費用は数十万円~百万円未満で済むため、相続直後の資金負担を抑えたい方に適しています。継続的な収益源としても安定性に優れています(例:5区画で年間収益60万円程度、利回り3~6%)。

しかし、どのように活用するかは、土地の立地や形状によって最適手段が異なります。駐車場として採算がとれるかどうかは、「近隣の需要」「幅員・出入口の確保」「土地の形状」などが重要な判断材料です。例えば、道路幅が狭く出入りが困難な土地では活用が難しいこともありますので、事前に市場調査やレイアウト検討を行うことが肝要です。

駐車場活用には、「手軽に始められる」というメリットがある一方、節税面を重視する場合は舗装の有無によって評価額に差が出る点にも注意が必要です。砂利敷きの青空駐車場では評価額軽減の対象とならず、節税効果が得られません。一方、アスファルトやコンクリートで舗装し、貸付事業用宅地等の条件を満たせば、最大50%の評価額減による節税が可能です。ただし、適用には「相続開始前3年以上継続して貸付事業を行っていること」などの要件があるため、早めの準備が必要です。

以下の表に、駐車場活用の主な方式とその特徴をまとめます。

方式概要利点
青空(未舗装)駐車場敷地に線を引くなどの簡易な整備初期費用少なめ、すぐ始められる
舗装駐車場アスファルトやコンクリートで整備節税効果あり(特例適用で評価額50%減)
コインパーキング機械設置・精算設備を導入高い収益見込み、立地次第で効率良い

③ 賃貸活用を始める前に検討すべきリスクと注意点

相続した不動産を賃貸活用する前には、以下のような主要リスクや注意点をしっかりと把握しておくことが大切です。

リスク・注意点内容対策
空室・賃料下落 長期の空室や賃料の落ち込みは、収益の減少に直結し、貸家建付地の評価減も受けられない可能性があります 迅速な入居者募集や適時なリフォームで、入居率を維持しましょう
税務上の評価リスク 賃貸割合や借家権の条件が整っていない場合、貸家建付地としての評価減が否認されることがあります 日常的な賃貸実績の管理や、評価時に備えた書類整理が必要です
その他の運営リスク 金利変動や相続登記義務化、共有状態によるトラブル、資産価値の低下などが発生する可能性があります 専門家と相談し、法的・資金的対策をしっかり行いましょう

まず、賃貸運用に伴う代表的なリスクとして、空室の長期化や賃料の下落があります。特に貸家建付地の評価減を受けようとする際、長期の空室があると、その部分は賃貸扱いと認められず、評価減が否認されることがあります。税務署は「継続的に賃貸されていた」「退去後すぐに募集した」「空室期間が短かった」といった要件を総合的に判断しますので、日頃から入居率を意識した運営が必要です 。

次に、税務上のリスクにも注意が必要です。貸家建付地として評価減を受けるには、借地権割合・借家権割合・賃貸割合の各条件を満たす必要があります。これらの要素が十分でなかった場合、評価減が認められず節税効果が期待できないこともあります 。そのため、適切な書類管理や実態に即した運営の証拠を残すことが重要です。

さらに、賃貸経営全般に関わるリスクとして、金利変動による借入コストの圧迫、2024年4月から義務化された相続登記の未対応による罰則の可能性、複数の相続人間での共有トラブル、資産価値の劣化による流動性の低下などが挙げられます 。こうしたリスクに対処するには、税務・法務・金融など複数の専門家と連携し、事前に相談しながら進めることが不可欠です。

以上のように、賃貸活用には収益や節税の魅力がある一方で、多様なリスクが伴います。節税目的だけに偏らず、実際の運営や法的条件にも十分注意を払い、信頼できる専門家を交えて計画を進めることをおすすめいたします。

賃貸活用を成功させるためのステップと準備事項

相続した不動産を賃貸活用する際は、しっかりとした調査と計画を踏まえて進めることが重要です。以下に、特に大切なステップと準備事項を整理しました。

ステップ内容目的
調査の実施 現況調査(築年数・入居率・修繕の必要性など)、立地や市場ニーズの把握 リスクや収益性を客観的に評価するため
計画の策定 建築やリフォームのプラン・収支シミュレーション・資金計画を作成 収益性の見通しを明確にし、安心して進めるため
専門家との連携 税務・法規制・資金相談など、司法書士や税理士、不動産の専門家に相談 適切なサポートを得て、安全かつ効果的に進めるため

まず初めに行うべきは、不動産の詳細な現状調査です。築年数、入居率、修繕状況や管理状態、滞納や借入の有無まで、全体像を把握することが成果を左右します。不動産の現況調査を丁寧に行うことで、将来的なトラブルを未然に防ぐ一歩となります(例:築年数や入居率、修繕の必要性を把握することの重要性)。

次に、調査内容を踏まえて計画立案に取り組みます。リフォームや新築の場合のプラン検討、収支予測、資金計画をしっかりと練ることが大切です。賃貸経営の成功には、返済比率や収支の長期的なプラスが不可欠で、シミュレーションの精度が経営の安定に直結します。

最後に、法令対応や税務対策を含めた安全性の確保には、専門家との連携が欠かせません。相続登記や税務評価、事業実態の整備などは専門家のアドバイスで確実に進められます。専門家への相談は、安心して賃貸活用を進めるための重要な基盤となります。

まとめ

相続した不動産をどのように管理し活用するかは、多くの方にとって大きな課題です。賃貸活用を選べば、家賃収入が得られるだけでなく、税負担の軽減や相続税評価額の引き下げといった利点も期待できます。また、駐車場活用のような手軽な方法も選択肢となり、土地の形状や立地によって最適な方法を見極めることが大切です。反面、賃貸経営には空室や収入減少などのリスクも伴うため、十分な準備や専門家への相談が欠かせません。適切な知識と準備が、安心して相続不動産を活用する第一歩と言えるでしょう。

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執筆者紹介

山田 拓馬 (ヤマダ タクマ)

不動産事業部 部長 キャリア24年

保有資格

  • 宅地建物取引士
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 不動産終活士
  • ガーデンデザイナー 

不動産業界で20年以上のキャリアを積み、これまでに1,000件以上の売買、賃貸契約に携わる。分かりやすい説明、少しでもプラスになる提案、を常に心掛けている。また、近年問題視されている管理が劣悪な空き地・空き家、所有者不明不動産等の解決に少しでも貢献するべく、日々奮闘中。趣味はギター演奏、ガーデニング、観葉植物栽培、料理。

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