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特定空家の認定基準とは?所有者が知るべき対策も紹介

空き家問題

山田 拓馬

筆者 山田 拓馬

不動産キャリア24年

不動産売買についての経験が豊富です。
様々なケースについて、お客様に寄り添った提案が出来るよう心掛けております。

「空き家を長期間放置してしまっているけれど、このままで大丈夫なのだろうか?」と不安に感じていませんか。適切な管理をせずに放置された空き家が「特定空家」に認定されると、所有者に大きな不利益が生じる可能性があります。この記事では、「特定空家」とは何か、その認定基準や認定後に起こるリスク、空き家のトラブルを防ぐための管理ポイント、さらに有効活用の方法まで、空き家所有者が知っておきたい重要な情報を分かりやすく解説します。

【目次】

特定空家とは何か?

空き家を所有している方にとって、「特定空家」という言葉は重要な意味を持ちます。これは、放置された空き家が周辺環境や安全性に悪影響を及ぼすと判断された場合に、行政から特定の措置を受ける可能性があることを示しています。以下で、特定空家の定義や認定基準、そして認定された場合のデメリットについて詳しく解説します。

まず、特定空家の定義についてです。2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」によれば、以下のいずれかに該当する空き家が「特定空家等」として認定されます。

  • 倒壊など保安上の危険がある状態
  • 衛生上有害となる恐れがある状態
  • 景観を著しく損なっている状態
  • 周辺の生活環境に悪影響を及ぼす状態

具体的には、建物の老朽化による倒壊の危険性、ゴミの放置による害虫の発生、外観の著しい劣化、そして不審者の侵入や放火のリスクなどが挙げられます。

次に、特定空家に認定される主な基準について説明します。以下の表に、認定基準とその具体例をまとめました。

認定基準 具体例
倒壊の危険性 屋根や壁の崩壊、基礎部分の劣化
衛生上の問題 ゴミの放置、害虫や害獣の発生
景観の悪化 外壁の汚れや落書き、庭の荒廃
周辺環境への悪影響 不審者の侵入、放火のリスク増大

これらの基準に該当すると、自治体から特定空家として認定される可能性があります。

最後に、特定空家に認定されると、固定資産税の優遇措置が解除されるなどのデメリットがあります。通常、住宅用地には固定資産税の軽減措置が適用され、税額が最大で1/6に軽減されています。しかし、特定空家に認定されるとこの特例が適用されなくなり、固定資産税が最大で6倍に増額される可能性があります。これは、空き家の放置が経済的な負担を大きくすることを意味します。

このように、特定空家に認定されると、経済的な負担が増大するだけでなく、行政からの指導や勧告を受けることになります。空き家を所有している方は、適切な管理を行い、特定空家に認定されないよう注意が必要です。


特定空家に認定されるとどうなるのか?

特定空家に認定されると、行政からの指導や勧告が段階的に行われ、最終的には強制的な措置が取られる可能性があります。以下に、その流れと各段階での対応について詳しく説明します。

まず、特定空家に認定されると、自治体から所有者に対して助言や指導が行われます。これは、空き家の適切な管理を促すための初期的な措置であり、法的な拘束力はありません。しかし、この段階で適切な対応を行わないと、次のステップに進むことになります。

助言や指導に従わない場合、自治体は所有者に対して勧告を行います。勧告は書面で通知され、これを受けると固定資産税の住宅用地特例が解除され、税額が最大で6倍に増加する可能性があります。具体的には、年2万円の固定資産税が12万円になるケースもあります。

勧告後も改善が見られない場合、自治体は命令を発出します。命令は法的な義務を伴い、これに違反すると50万円以下の過料が科される可能性があります。さらに、命令に従わない場合、自治体は行政代執行を行い、所有者に代わって空き家の解体や修繕を実施します。その費用は所有者に請求され、支払わない場合は財産の差し押さえなどの措置が取られることもあります。

以下に、特定空家に認定された場合の行政措置の流れを表にまとめました。

段階 内容 主な影響
助言・指導 空き家の適切な管理を促す通知や指導 法的拘束力なし
勧告 書面による改善要求 固定資産税の特例解除(税額最大6倍)
命令 法的義務としての改善命令 違反時に50万円以下の過料
行政代執行 自治体による強制的な解体・修繕 費用は所有者負担、未払い時は財産差し押さえ

このように、特定空家に認定されると、段階的に厳しい措置が取られ、最終的には大きな経済的負担や法的責任が生じる可能性があります。空き家を所有している方は、適切な管理を行い、特定空家に認定されないよう注意が必要です。

特定空家に認定されないための対策

空き家を所有している方にとって、特定空家に認定されることは避けたい事態です。特定空家に認定されると、固定資産税の優遇措置が解除されるなどのデメリットが生じます。以下に、特定空家に認定されないための具体的な対策をご紹介します。

まず、定期的な清掃や修繕、草木の管理など、空き家の適切な維持管理が重要です。建物の劣化を防ぐために、外壁や屋根の点検・修繕を行い、庭の草刈りや樹木の剪定を定期的に実施しましょう。これにより、倒壊の危険性や衛生上の問題、景観の悪化を防ぐことができます。

遠方に住んでいる場合や管理が難しい場合は、専門業者への委託や売却を検討することをおすすめします。空き家管理サービスを利用することで、定期的な点検や清掃、防犯対策などをプロに任せることができ、安心して空き家を維持できます。また、売却を選択することで、管理の手間やコストから解放されるとともに、資産を有効活用することが可能です。

空き家を適切に管理することで、特定空家への認定を防ぎ、資産価値を維持することができます。以下に、特定空家に認定されないための主な対策を表にまとめました。

対策 具体的な内容 期待される効果
定期的な清掃・修繕 外壁や屋根の点検・修繕、庭の草刈りや樹木の剪定を定期的に行う。 建物の劣化防止、倒壊リスクの低減、景観の維持。
専門業者への委託 空き家管理サービスを利用し、定期的な点検や清掃、防犯対策をプロに任せる。 管理の手間や時間の削減、専門的な維持管理の実施。
売却の検討 空き家を売却し、資産を有効活用する。 管理の手間やコストからの解放、資産の現金化。

これらの対策を講じることで、空き家の適切な管理が可能となり、特定空家に認定されるリスクを大幅に低減できます。空き家を所有している方は、早めの対応を心がけましょう。

空き家の有効活用方法

空き家を放置すると、固定資産税の負担や老朽化による安全面の問題が生じる可能性があります。そこで、空き家を有効に活用する方法を検討することが重要です。以下に、主な活用方法とそのメリット・デメリットを紹介します。

1. 賃貸物件として活用する

空き家を賃貸物件として提供することで、家賃収入を得ることができます。特に、立地が良く、建物の状態が良好な場合に適しています。

メリット:

  • 定期的な家賃収入が得られる。
  • 入居者がいることで建物の劣化を防げる。

デメリット:

  • 入居者が見つかるまで時間がかかる場合がある。
  • 修繕や管理の手間が発生する。

2. リフォームやリノベーションを行い再利用する

老朽化した空き家をリフォームやリノベーションすることで、再び居住可能な状態にし、賃貸や売却の価値を高めることができます。

メリット:

  • 物件の価値が向上し、売却や賃貸の際に有利になる。
  • 新たな用途(カフェや店舗など)として活用できる可能性が広がる。

デメリット:

  • リフォーム費用が高額になる場合がある。
  • 工事期間中は活用できない。

3. 売却する

空き家を売却することで、維持管理の負担から解放され、売却益を得ることができます。

メリット:

  • 維持管理の手間や費用が不要になる。
  • 売却益を他の資産運用に活用できる。

デメリット:

  • 市場状況によっては希望価格で売却できない場合がある。
  • 売却までに時間がかかることがある。

4. 更地にして土地として活用する

老朽化が進んだ建物を解体し、更地として駐車場や貸農園などに活用する方法です。

メリット:

  • 建物の老朽化によるリスクを解消できる。
  • 土地の用途が広がり、新たな収益源となる可能性がある。

デメリット:

  • 解体費用が発生する。
  • 固定資産税の軽減措置が解除され、税負担が増加する可能性がある。

5. シェアハウスや民泊として活用する

空き家をシェアハウスや民泊施設として運営することで、短期的な収益を得ることができます。

メリット:

  • 需要が高いエリアでは高い収益が期待できる。
  • 建物を有効に活用できる。

デメリット:

  • 運営や管理に手間がかかる。
  • 法的な手続きや許可が必要となる場合がある。

6. カフェや店舗として活用する

空き家をリノベーションしてカフェや店舗として活用する方法です。特に、立地や建物の雰囲気が魅力的な場合に適しています。

メリット:

  • 地域の活性化に貢献できる。
  • 独自性のある店舗として注目を集めやすい。

デメリット:

  • 初期投資が必要となる。
  • 事業運営のリスクが伴う。

7. 託児所や保育所として活用する

空き家を託児所や保育所として活用することで、地域の子育て支援に貢献できます。

メリット:

  • 社会貢献度が高い。
  • 安定した需要が見込める。

デメリット:

  • 改装や設備投資が必要となる。
  • 運営に関する法的な手続きや許可が必要。

8. 物置スペースとして活用する

空き家を物置スペースやトランクルームとして貸し出す方法です。

メリット:

  • 初期投資が少なくて済む。
  • 需要が安定している。

デメリット:

  • 収益性が低い場合がある。
  • セキュリティ対策が必要となる。

9. 借主負担DIY型賃貸として活用する

借主が自己負担でリフォームを行う前提で、現状のまま賃貸する方法です。

メリット:

  • 初期費用がかからずに賃貸できる。
  • 物件がきれいになって返ってくる可能性がある。

デメリット:

  • 家賃が安く設定される場合がある。
  • 修繕可能箇所の取り決めが必要となる。

10. 解体して更地で売却する

建物を解体し、更地として売却する方法です。

メリット:

  • 建物の老朽化によるリスクを解消できる。
  • 更地の方が買い手がつきやすい場合がある。

デメリット:

  • 解体費用が発生する。
  • 固定資産税の軽減措置が解除され、税負担が増加する可能性がある。

以下に、各活用方法の概要を表にまとめました。

活用方法 メリット デメリット
賃貸物件として活用 定期的な家賃収入が得られる。建物の劣化を防げる。 入居者が見つかるまで時間がかかる場合がある。修繕や管理の手間が発生する。
リフォームやリノベーションを行い再利用 物件の価値が向上し、売却や賃貸の際に有利になる。新たな用途として活用できる可能性が広がる。 リフォーム費用が高額になる場合がある。工事期間中は活用できない。
売却 維持管理の手間や費用が不要になる。売却益を他の資産運用に活用できる。 市場状況によっては希望価格で売却できない場合がある。売却までに時間がかかることがある。
更地にして土地として活用 建物の老朽化によるリスクを解消できる。土地の用途が広がり、新たな収益源となる可能性がある。 解体費用が発生する。固定資産税の軽減措置が解除され、税負担が増加する可能性がある。
シェアハウスや民泊として活用 需要が高いエリアでは高い収益が期待できる。建物を有効に活用できる。 運営や管理に手間がかかる。法的な手続きや許可が必要となる場合がある。
カフェや店舗として活用 地域の活性化に貢献できる。

まとめ

特定空家は、倒壊の危険性や衛生、景観の問題などを理由に行政から認定され、放置すると大きなデメリットが発生します。特に、固定資産税の優遇がなくなり税額が大幅に増えることや、最終的には強制的な措置も取られる点には注意が必要です。定期的な清掃や修繕、管理委託でリスクを減らすことも大切です。空き家の有効活用や管理をしっかり行うことで資産価値を守り、安心して所有し続けられる環境づくりを心がけましょう。

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執筆者紹介

山田 拓馬 (ヤマダ タクマ)

不動産事業部 部長 キャリア24年

保有資格

  • 宅地建物取引士
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 不動産終活士
  • ガーデンデザイナー 

不動産業界で20年以上のキャリアを積み、これまでに1,000件以上の売買、賃貸契約に携わる。分かりやすい説明、少しでもプラスになる提案、を常に心掛けている。また、近年問題視されている管理が劣悪な空き地・空き家、所有者不明不動産等の解決に少しでも貢献するべく、日々奮闘中。趣味はギター演奏、ガーデニング、観葉植物栽培、料理。

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