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空き家を放置するとどんなリスクがある?放置による損害や対策も紹介

空き家問題

山田 拓馬

筆者 山田 拓馬

不動産キャリア24年

不動産売買についての経験が豊富です。
様々なケースについて、お客様に寄り添った提案が出来るよう心掛けております。

空き家をそのままにしておくと、思わぬトラブルや大きなリスクを抱えることになるかもしれません。建物の老朽化や税金負担の増加だけでなく、法的な制裁や近隣トラブルの原因になる場合もあります。この記事では、空き家を放置した場合の主なリスクと実際にどのような問題が生じるのか、さらにリスクを最小限に抑えるための対策について、分かりやすく解説します。大切な資産を守るためにも、ぜひご参考になさってください。

空き家を放置することによる法的・行政的リスクの概要

「空家等対策の推進に関する特別措置法」(以下「空家法」)は、倒壊や衛生・景観などで周辺に悪影響を及ぼすおそれのある空き家を「特定空家」として指定し、地域環境の保全を図るための法律です。市区町村は対象の空き家に対し、助言・指導・勧告・命令・そして行政代執行という段階的な対応をとることが可能です。また、令和5年(2023年)の改正により、「管理不全空家」と呼ばれる、将来的に特定空家になる可能性のある状態の空き家にも同様の措置が拡大されました。その結果、空き家所有者には管理責任が強く求められます。

段階意味内容
助言・指導改善の打診状態改善のための注意喚起や指導が行われます。
勧告・命令法的措置の開始改善されない場合、市区町村が勧告や命令を出し、命令無視で過料(50万円以下)となります。
行政代執行強制執行自治体が解体などを行い、その費用を所有者に請求します。

さらに、特定空家や管理不全空家に該当すると、住宅用地に適用されていた固定資産税や都市計画税の軽減措置が外れ、固定資産税が最大6倍になる可能性があります。これは、住宅用地であることで得られていた軽減が解除されるためであり、大幅な税負担増となります。

倒壊・火災・衛生害や損害賠償など、安全面・経済面におけるリスク

空き家を適切に管理せず放置すると、安全面や経済面で深刻なリスクが高まります。まず、建物の老朽化による倒壊や外壁材の落下、さらには火災の発生は通行人や隣接建物に重大な被害を及ぼす可能性があり、所有者には民法第717条に基づく損害賠償責任が問われます。たとえ自然災害が原因でも、所有者が適切な注意義務を怠っていたと判断されれば、免責は認められません。

また、管理が行き届かない空き家は害虫(シロアリ・ゴキブリ・ハエ・ムカデ・ダニなど)や害獣(ネズミ・ハクビシン・アライグマ・猫など)の住処となりやすく、建物の構造的劣化や感染症の拡大、悪臭など衛生上の問題を引き起こし、近隣住民の生活環境にも大きな影響を与えます。

さらに、倒壊や火災によって第三者に被害が及んだ場合、数千万円から数億円規模の損害賠償請求に発展するケースもあります。火災保険に加入していたとしても、空き家状態では補償対象外となる場合があり、所有者が全額を負担しなければならないこともあります。

以下はこれらのリスクを整理した表です:

リスクの種類 具体的内容 関連する法的・経済的責任
老朽化による倒壊・火災 外壁落下・建屋崩壊・火災発生 民法第717条による損害賠償責任(億単位の可能性)
害虫・害獣の繁殖 シロアリ、ネズミ、ハエなどが発生 衛生状態の悪化、近隣への被害拡大
第三者への損害 隣家への損壊、通行人への被害 高額賠償責任、火災保険が補償対象外の可能性

景観悪化・資産価値の低下・犯罪リスクなど、資産面と地域への影響

空き家を放置すると、地域や資産にさまざまな影響が生じます。まず、雑草の繁茂や落書き、外観の劣化によって景観が損なわれ、地域全体のイメージが低下します。見た目が荒れた空き家は、ご近所の方にとっても不安材料となりうるため、地域にとって大きなマイナスとなります。適切な管理がされていない「荒れた空き家」は、景観への悪影響が顕著に現れ、地域の魅力を損ねます。

次に、空き家は不法侵入や不法投棄、犯罪の温床になりやすい状況を生み出します。庭木や雑草の放置、郵便受けへのチラシ放置などから「誰も管理していない」と判断され、侵入や占拠、ゴミの投棄、放火といったリスクが高まります。このような状態が長期化すると、所有者に対して社会的責任を問われることもあります。

さらに、放置された空き家は資産価値の低下につながる重大な欠点を抱えています。荒れた外観や犯罪リスクがある物件は、「いわくつき物件」として市場評価が下がり、売却が困難になることがあります。また、長引く放置によって築年数と劣化が進み、売却時の価格がさらに下落する可能性も否めません。

影響の種類 具体例 地域・所有への影響
景観悪化 雑草だらけや外壁の劣化 地域イメージの低下
犯罪リスク 不法侵入・投棄・放火の温床 所有者・近隣の治安不安
資産価値低下 売却困難・評価の減少 経済的損失

空き家の処分を検討している方に向けた、放置リスク対応のための検討ポイント

空き家の処分を考える際は、まず現状を把握することが重要です。所有されている物件の立地状況や築年数、建物の劣化具合、敷地内の管理状態など、自分自身で一つひとつ丁寧に確認しましょう。これにより、将来的な危険性や対応の優先順位が明確になります。また、行政からの指導対象になるか否かの判断にもつながります。例えば、窓ガラスの破損や雑草の繁茂など「管理不全状態」に該当する兆候があれば、速やかに対処を検討する必要があります 。

確認項目具体内容
立地の利便性駅・商業施設へのアクセス状況など
建物の老朽度瓦屋根や外壁の破損、腐朽・漏水の有無
管理状況雑草・ゴミの有無、換気・清掃の頻度

次に、どのような処分方法が適しているかを判断するには、それぞれの選択肢を比較する視点が欠かせません。たとえば、売却によって手放す方法、建物を解体して更地として売る方法、あるいは管理サービスに委託して維持管理を続ける方法などが考えられます。各選択肢にはそれぞれメリットと留意点がありますので、コストや手間、税負担、地域への影響などを総合的に評価しましょう 。

処分手段利点留意点
売却負担の軽減/譲渡所得控除の対象になる可能性状態が悪いと買い手が付きにくい
解体更地にすることで利用しやすくなる解体費用負担が発生する
管理サービス維持コストを抑えつつ安全を保てる費用が継続的にかかる

そして、放置リスクを可能な限り抑えるためには、早めに専門家にご相談いただくことが大変効果的です。専門家に現地の状況を見てもらうことで、改善すべき点や適切な処分方法がより明確になります。相談の際には、建物状態の記録写真や登記事項証明書、固定資産税の明細など、現状を確認できる資料を準備しておくとスムーズです。早期の相談が、行政処分や税負担の急増を回避する大きな一歩になります 。

まとめ

空き家を放置することは、法的・行政的な指導や税負担の増加だけでなく、倒壊や火災、衛生面の問題、さらには周囲への損害賠償リスクや地域環境の悪化など、多方面に影響を及ぼします。管理を怠ることで資産価値が低下し、売却も難しくなりかねません。空き家の現状を正確に把握し、今後を見据え早めに専門家へ相談することが、安心して大切な資産を守る第一歩となります。リスクを最小限にするためにも、早期の具体的な行動をおすすめします。

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執筆者紹介

山田 拓馬 (ヤマダ タクマ)

不動産事業部 部長 キャリア24年

保有資格

  • 宅地建物取引士
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 不動産終活士
  • ガーデンデザイナー 

不動産業界で20年以上のキャリアを積み、これまでに1,000件以上の売買、賃貸契約に携わる。分かりやすい説明、少しでもプラスになる提案、を常に心掛けている。また、近年問題視されている管理が劣悪な空き地・空き家、所有者不明不動産等の解決に少しでも貢献するべく、日々奮闘中。趣味はギター演奏、ガーデニング、観葉植物栽培、料理。

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